ボツワナ一人旅5日目。
この日は、旅の大きな目的のひとつだった世界遺産オカバンゴデルタ(Okavango Delta)ツアーに参加する日だ。
集合は朝7時。
急いで朝食を済ませ、宿の入口へ向かうと、すでにオープンジープが2台到着していた。
参加者は欧米から来た旅行者が中心。
子ども連れの家族もいて、皆いかにもアウトドア慣れしていそうな雰囲気だ。
人生初サファリにして、本格的なアウトドア環境。
なんだか場違いな気分になり、たじろいでいると、出発の合図がかかった。
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7月のオカバンゴデルタは乾季。
宿を出発して間もなく、「なぜ巨大な四輪駆動車が必要なのか」がよく分かった。
地面は一見平坦に見える。
しかし実際は細かい砂が深く積もっていて、タイヤが轍にはまりまくる。
エンジンを唸らせながら脱出し、また進む。
その繰り返しだ。
道中、大型動物には遭遇しなかったものの、
・アフリカオオノガン
・ヘビクイワシ
・マングース
・リスの仲間
などアフリカならではの面白い野生動物を見かけた。
さらに驚いたのは、アフリカゾウの頭蓋骨。
巨大な骨がサバンナに転がっていて、一行は少し停車して観察タイムとなった。
また、何もない繁みの中に複数のテントが建っている場所がある。
ガイドによれば、乾季の間だけ現地ガイドたちが生活する拠点なのだという。
乾季はデルタで観光業に従事し、雨季になると街へ戻る。
オカバンゴデルタとともに生きる人々の暮らしが垣間見えた。
しばらくして到着したのが、「DAUNARA」というモコロステーション。
いわゆる船着き場だ。
モコロ(Mokoro)とは、オカバンゴデルタ伝統の丸木舟をくり抜いて作った小舟のことをいう。
細長い船に、
・乗客2人
・漕ぎ手1人
の3人で乗り込む。
エンジンはない。
漕ぎ手が長い竿で川底を押しながら進んでいく。
これが想像以上に気持ちよかった。
静かな水面。
風の音と鳥の声。
そしてゆっくり流れる景色。
開けた水辺からスタートし、葦の生い茂る細い水路を抜け、睡蓮が広がる湿地へ。
途中、水辺の茂みの奥にカバの姿も見えた。
遠くからだが、確かにそこにいる。
サファリカーでの移動とはまた違う、ぜいたくな時間だった。
オカバンゴデルタの湿地帯をモコロで進んでいく
上陸すると、まずは昼食。
配られたランチボックスは、
・ツナサンドイッチ
・ゆで卵
・青りんご
・ヨーグルト
という内容。
さらに飲料水も支給される。
シンプルだが十分おいしい。
アフリカ旅行中に感じたことだが、パンやサンドイッチなど小麦製品は意外とレベルが高い。
野生動物の頭蓋骨が転がる水辺でランチを食べる機会など、日本ではまずないだろう。
モコロの上陸地点の風景
昼食後はいよいよウォーキングサファリ。
木々の間を抜けると、そこには見渡す限りのグラスランドが広がっていた。
360度草原。
日本では絶対に見られない景色だ。
途中、草原に点在する白い砂山を発見。
ガイドに聞くと、巨大な蟻塚だという。
そういえば、モコロステーション周辺にもたくさんあった。
そんな話をしながら進んでいくと、ガイドが足を止めた。
遠くを見るように促される。
最初は何も見えない。
しかし目を凝らすと、
・イボイノシシ
・インパラ
・シマウマ
が確かにいる。
さらに向こうに、
・キリン
・アフリカゾウ
も確認できた。
ただし、とにかく遠い。
スマホでは撮影が難しいレベルだ。
それでもガイドは驚くほどよく見えている。
「本当にいるのか?」
と思った場所でも、しばらく見ていると動物が動き出して、その存在に気づく。
アフリカ原住民の視力は10.0というのを聞いたことがあるが、本当かもしれない…。
キリンのズームアップ写真
正直な感想を書くと、「思ったより動物は少なかった」というのが本音だ。
ライオンやヒョウなどのネコ科動物は見られず、
野生動物との距離もかなり遠い。
期待していた「テレビで見るアフリカ大サファリ」とは少し違った。
ただ、それはオカバンゴデルタの魅力が別の場所にあるからだろう。
このツアーは動物を大量に見る場所ではなく、
・世界最大級の内陸デルタ
・湿地と草原が織りなす風景
・モコロで進む静かな時間
・人の少ない大自然
を味わうための場所なのだと思う。
料金は約2万円。
正直、高い。
コロナ前の3倍近くまで値上がりしている。
「2万円の価値があったか?」
と聞かれると少し悩む。
しかし、世界遺産オカバンゴデルタという特別な場所を体験できたこと自体には満足している。
帰りのモコロでは、水辺を歩くアフリカゾウの群れを見ることができた。
まるで最後のサービスのようだった。
宿へ戻った後は、昨日買っておいた惣菜とパンを温めて夕食。
明日はマウンを離れ、マカディカディ塩湖の玄関口・グウェタへ向かう予定だ。
移動続きの旅はまだまだ続く。
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